【ポンコツ引っ越し体験】
普通 引越屋さん って
4人くらいで 作業するでしょ?
大体 そのうち 社員が ひとり
あと 3人は バイトです
いかに テキパキと 効率よく
荷物を 運び出すかは
社員の リードに 掛かってます
そんでもって
昨日 びっくりするほど ポンコツな
引越屋さんに 出会いました
引越する お客さんが
アンティーク家具が 大好きで
30帖くらいの リビングに
ペルシャ絨毯を 敷きつめ
重厚な 家具だらけ
これね ひとつ ひとつが
めちゃ 重いのよ
持ち 上げようとしても
ビクとも しない
そんなのが いくつも あるの
しかも ひとつの 家具が
何百万や 何千万もするみたい
こりゃ 大変な 現場です
上手に 運び出せるのか?
引越し 作業を 注視しました
3人の 作業員は ガタイも良く
大学生くらいの 年齢です
経験は 浅いけど 体力はある
社員の リードが 良ければ
なんとか なりそうです
まず 3人が LDKの
3方向の 角に それぞれ 移動し
しペルシャ絨毯の 隅を 握り
グイグイと 引っ張り だしました
どうやら 家具を 移動せず
家具が あるままで
運びだそうと してるみたい
でも びくとも しません
そりゃ 当然です
ひとつの 家具だけでも
持ち 上がらないのに・・・
それでも 3人は 諦めず
グイグイ 引っ張ってます
高級そうな カップボードは
揺れて 今にも 倒れそう
ちょっと ちょっと!
どう 考えても 無理でしょ?
その やり方じゃ ドアから
出せる わけないじゃん!
僕たちも 無理だと 思ってます
ただ チーフの 命令なので・・・
その チーフって 誰?
社員さんです
チーフって どこ?
多分 隣の 部屋だと 思います
もう 仕方ない 部外者だけど
チーフに 直接 言うしかない
隣の 部屋の ドアの 前に 行き
思い切り ドアを 開けました。
するとね
大きな 座卓に 座って
お寿司を 食べてたんです
それも 桶に 盛った
いかにも 高そうな お寿司
は? 作業せずに お寿司?
ないない それは ない
そう 思ったとき
大久保さんっぽい 女性が
ツカツカと 目の前に 来ました
何なの? 何か 用?
いやいや あなた
引越屋さんの チーフでしょ?
お寿司 食べてるのも 論外だけど
あの 作業なんなの?
あんな 運び方で
出せるわけ ないでしょ?
あなた 素人でしょ?
そんな 偉そうに 言うなら
あなたが やってみなさいよ
なんで わたしが 引越しを?
でも 腹が 立つし
このまま 引き下がれません
仕方なく リビングに 戻ると
3人は ジッと
わたしの 顔色を 見ています
1番 背の高い 若者が
わたしを 見ながら 近寄り
お願いします!
リーダー!
なんで わたしが 作業?
しかも なんで リーダー?
と 思いましたが
もう やるしかない
みんな よく 聞いて
絨毯ごと 引張っても 駄目
まず 家具を 移動し
絨毯を めくって
まずは 絨毯を 出すんだ
東にある 家具を 西へ 移動し
家具が 無くなった
東の 絨毯を めくる
そして 西に 移動した 家具を
東の めくった 床に 移動する
これで 半分は 完了
1時間 ちょっと 要しました
次は 南から 北です
南にある でっかい 本棚が
一番の 難敵です
これを 北側へ 移動するのに
10分で 10センチしか 動きません
本棚を 北側へ 移動するのに
6時間も 掛かってしまいました
最終的に 全部の 家具を
逆の 方角へ 移動を 終えて
めくった ペルシャ絨毯を
LDKから トラックに 積んだのが
夜中の AM2:00
全員 ヘトヘトで
握力は 全く 残ってません
そのとき 重要な 過ちに 気付き
その ショックで 目が 覚めました
そう これは 夢の話
とっくに 分かってたよね?
絨毯ごと 家具を
一気に 運ぼうと するのは
最悪の 選択です
だから わたしは 家具を ずらし
絨毯を 先に めくろうとした
長時間を かけて それを した
そして 絨毯は トラックに 積んだ
でも 家具は?
全部 LDKにある
あんだけ 東西南北へ 移動するなら
ひとつずつ トラックへ 積めば
とっくに 引っ越しは 終わってる
引越って そういうもんでしょ
なんで 気付かなかったんだ?
俺に 引っ越しの 素質はない
その ショックで 目が 覚めました