【なおきのボクシング】
普段 穏やかな 性格の わたしが
闘争心 剥きだしになる 瞬間
そう それは ボクシングの
テレビ中継を 見ている時です。
ちなみに 中継中は
応援してる ボクサーと 一心同体
同じ タイミングで パンチを 繰り出し
同じタイミングで スウェーし
そして ラウンド終了の ゴングが 鳴ると
ソファーに 座って 1分間 休憩をとる。
テレビから 聞こえてくる トレーナーの指示に
耳を 傾け ウンウンと 頷き
水を 含んで ペッと 吐き出す。
そして しばらくすると
2ラウンドの ゴングが鳴ります。
勢いよく ソファーから
リビングの 中央に 駆け出し
1ラウンドに 相手から 貰った パンチで
今日の 対戦相手の パンチ力
繰り出してくる ジャブの 癖
今日の 相手は 一筋縄では いかない
そして この時点で すでに
わたしの 全身からは 汗が 噴き出し
2ラウンド 終了時の インターバルで
Tシャツを 脱ぎ捨て 裸になります。
すでに 若干 呼吸は 乱れだし
肩で 呼吸を はじめます。
近大ボクシング部 主将だった頃
これくらいで なにひとつ
呼吸は 乱れなかったもんですが
さすが ブランクを 感じます。
しかし 勝って チャンピオンになる
近大の 恩師に 恩返ししたい
その後 インターバルの 1分間が 終わり
3ラウンド開始の ゴングが 鳴ると
両者 ここが 勝負とばかり
わたしも リビング中央で 立ち止まり
腕が ちぎれるくらい パンチを 繰り出します。
乳酸が 身体に 充満し 限界に達したとき
中継 画面の トレーナーは
「落ち着け 慌てるな ボディーを狙え」
それに 応えるよう ボクサーも 頷き
目には ギラっと 闘志が 蘇ります。
そうです まだ 始まったばかり
そして 間もなく カン!
4ラウンド開始の ゴングが 鳴りました。
両者 リングの 中央に 飛び出し
お互い 有効打を 顔面に 打ち込み
凄まじいまでの 打ち合いが 始まりました。
そんでもって
その 打ち合いに 負けじと
わたしも 限界の スピードで
ジャブを 繰り広げるのかと 思いきや
わたしは ソファーに 座ったままで
手には 冷えた 缶ビール
そのように わたしが 試合に 望めるのは
3ラウンド 終了時まで
なので 出来れば 3ラウンドで
相手を 倒して 欲しいもんです。
そんでもって
今晩の ダブルタイトルマッチ
3ラウンドで 勝者になるのは
井上選手なのか 八重樫選手なのか?
わたしの 3ラウンドを どちらに 捧げるか
玉砕覚悟で 2試合とも 出るのか?